本当の日本を知らない人々へ
2011年 06月 26日
宮入法廣 NORIHIRO MIYAIRI
2011年 長野県無形文化財 認定
2010年 正宗賞 受賞
私が宮入さんの作品に出会ったのは三年前
それまで 刀 になんて縁すら感じていなかった
見せていただいたのは 刀子(とうす) と呼ばれる細く繊細で緻密な小刀のようなもの
長さ12,3cmほどのそれは平安時代の貴人たちに文具や御守りとして愛玩されていた
水牛角把紅牙撥鏤鞘金荘刀子(すいぎゅうづのつかこうげばちるざやきんそうとうす)
撥鏤(ばちる)とはその技巧のことで、染めた象牙の染色された部分を
削ることで模様を描く
撥ねる(はねる) 鏤める(ちりばめる)と書くが
その文字の通り、撥ねるように削られた模様が鏤められている
しかしその繊細なこと。
白牙把紅牙撥鏤鞘金荘刀子(はくげづかこうげばちるざやきんそうとうす)
紺牙撥鏤鞘金荘刀子(こんげばちるざやきんそうとうす)
白牙把紫牙撥鏤鞘金荘刀子(はくげづかしげばちるざやきんそうとうす)
紅牙把金珠玉荘刀子(こうげづかきんすぎょくそうとうす)
こちらは金属をレースのように抜いて木の鞘に巻きつけている
私は個人でお持ちの物を拝見させていただいたのだが
オーナーでさえ扱う時は綿の手袋をしてなるべく息も吹きかけないように気を使う
その丁寧な扱いには敬意が現れている
この宮入さんの作品が7月下旬から一ヶ月、皆さまにも見ていただくことが出来る
東御市八重原 芸術むら公園内 「東御市梅野記念絵画館」
7月24日(日)~8月28(日)
特に注目したいのは、正倉院に納められている宮入さんの復元刀子も出展される点
数々の個人所蔵の作品もこの展示会の為に集められた。
なんとも貴重な展示会となる
これを機会に、知らなかった日本の技にぜひ触れてみてください。
by lavvoronte
| 2011-06-26 17:23
| いってきました。