森の中のちいさなお店 すてきな”ギフト”みつかります


by lavvoronte

冬桜

これから紅葉がきれいになって、軽井沢の秋も盛り上がっていくんだろうな、と思っていた頃、大賀ホールで”ケイコ・リー”のコンサートを聴いてきた。

彼女のことはメディアを通してでしか知らなかった。
低く下から撫で上げられるようでゾクゾクする、ソフトでそれでいて力強い声質。
そんな声から想像するに、それなりに身体も大きい方であろうと思っていた。

あまり大きくないホール内、ステージもそう離れていない。
前後左右、どちらからもほぼ真ん中の位置の席だった。
場内が静まって、ケイコ・リーが登場する。
彼女がステージに現れた。
吸い込まれるような黒い鍵盤色のドレスを、
鍵盤のように白く透き通った肌に纏っていた。
その姿は想像と大きく異なっていた。
ホウッとため息をついちゃうほど可憐で胸がきゅーっと摑まれる感じがした。
大人の落ち着きと色っぽさ、それと同時に持つかわいらしさ。
歳を取ることを忘れたみたい、40代にも10代にもみえる。
年齢という枠を超えて妖精のようだった。
一言のトークも無く、生のその声は、はじめから終わりまでメロディーに乗ってしか聴くことができなかった。十分だった。
あまりに胸打たれ思わず出口でCDを買ってしまった。まんまと罠に落ちちゃった。
しかし吊り上げた魚は鯛だった。
一人部屋で聴いていると、なんだか目に沁みるのだ。
たまには流されてみるものだ。



つい先日、よく手入れの行き届いた北陸の大きな庭園を散策してきた。
地面から2mも根っこの立ち上がった大きな松が生えていた。
何本もの根が露出していたその姿は、みんなに支えられて立っているようだった。
その先には小さな川が設えられ、小さな橋が渡されていた。
それは素っ気無くまっすぐ一直線には渡されておらず雁行させて作られており、このちょっとしたところに日本人のゆとりを感じた。この小川、あやめの頃もさぞ趣があるだろう。
と、目の先に冬桜が咲いていた。
ほんの少しだけ色を帯びていた。
曇り空に溶けてしまうように儚い色だった。
それなのに、なぜか私は力強さを受取った。

この冬桜に私を魅了した声を持つ彼女が重なった。
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by lavvoronte | 2006-11-19 20:21 | ぶつぶつ・・・