10日前の日曜日、今年はじめての雪虫がひらひら舞っていた。
それは儚げで繊細で、とても貴重なものを見ているようだった。
しかし今日に至っては、焚き火の灰が浮遊しているほどにたくさんの雪虫が、あまり美しくないほど舞っている。
振り返ってみると、冬に劣らず秋も長いものだ。
軽井沢の紅葉はそろそろ見頃を迎えだした。
一番最初に蔦が赤くなり、深い緑の中で一際存在を主張する。そこから銀杏が黄色くなり始め、今は紅葉が場所によってはすごく気持ちのいい赤に染まっている。唐松もほんのり色づいて道を歩くとその香りが立ち上る。
秋深し。
雪虫の便りが届くころは、そろそろ雪の便りも届きだす。