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by lavvoronte

帰り路

東京に居た頃
通勤手段は主に自転車だった。
毎日駅二つ分
ジャーコー、ジャーコーと線路脇の景色を横切っていた。
絶え間なく
重たそうな鉄の軋む音を従えて、オレンジ色の電車が私を追い越していった。

東京だと
ススキの穂が開くのは11月に入ってからだった。
私は
そのくらいの季節の帰り路が好きだった。

線路っ端に
詰め込まれるだけ詰め込まれて立っているススキの穂が
冷たく緊張し始めた空気の中
無表情な月の撥ね返す青白いその光を
腹いっぱい吸い込んで
銀色に輝くのが
きれいだったから。
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by lavvoronte | 2006-10-13 19:35 | ぶつぶつ・・・