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by lavvoronte

バルトへの旅 3. ~エストニア入り~

「ナミさんたち、フィンエアーが欠航になっちゃったんだって。」

「・・・・・・、えっ!?」

まさかのニュースにアエロ組7名はにわかには事態が飲み込めません。
どうするの?どうなるの? アエロフロートの
オーディオシステムエラーの10時間はここで吹っ飛びました。
とにかくナミさんは、皆さんの代替え便の手配に必死に走り回っている。
密に連絡を取り合っているアヤさんから私達に与えられた情報はこれだけです。
手も足も出せないので一同、歯がゆい思いを自身で押さえ気持ちを切替えます。

約2時間。
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モスクワの空港でモヤモヤした気持ちを抱えながら乗継便を待ちました。

モスクワ―タリン(エストニアの首都)間。
左2列、右3列の小さな飛行機に背の大きなロシア系の人、
モンゴル人らしき堀の深いアジア系の人に日本人少々が乗り込みます。
(ここで出た機内食の黒パンのドライトマト入りのサンドウィッチが機内食では一番美味でした)
1時間40分。予定通り現地時間19:50分に着陸。

私達はここで一気に旅気分に引き込まれます。
なぜなら、その空気です。
空港内なので、窓が開放されているわけではないのに
そよそよと高原を吹き渡る風の様に爽やかだったのです。
不思議なことです。

親しみやすいスケール感のいくつかの通路を通り
仮設かと思うようなベニヤ扉のトイレの前を通ると税関です。
3ブース。日本の様に銀行の窓口の様な半開放のブースではなく
宝くじ売り場の様なケース状のブースの中の係員が審査します。
それは親しみやすい空港のスケール感に反して厳重な審査でした。
先頭を切った私の友人は英語に長けているのであれやこれやの質問を難なくクリア。
私は3人目。2人目の方も、想像以上に丁寧な審査を受けています。
緊張気味に自分の番を迎えると、もうあと何人もいる同じグループの者に
同じ質問を繰り返すこともないだろうと御判断されたのか何も聞かれず突破。
家庭的なドアのレバーを押し下げ
その家庭的な様子の室内とは裏腹の緊張した空間を抜けて出た
その先のカジュアルでおしゃれなこと。
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バルト三国初上陸に期待が一気に高まりました。

出口を出ると、一年前に軽井沢でお会いしたラトビア人ご夫妻が待っていてくれました。
すでに役目を終えたターンテーブルの上にそこだけ時間が止まったかのように
置き去りにされていた私達の荷物を受け取り
ここで合流するはずだったフィンエアー組の分を考えても大げさなくらい大き過ぎる
用意されていたバスに乗り今日のお宿
Park Inn by Radisson Meriton Tallinn
についた時、時計がちょうど21時になりました。

欠航となった非常事態に平常心を失った何百人ものフィンエアー乗客の異様な空気の中
ナミさんは10時間、必至の粘り全員分の代替え便を確保しました。
しかし、話を聞くだけでも過酷な旅路です。
フィンエアー組の半分は、成田から羽田へバスで移動しバンコクへ。
そしてバンコクを夜中に飛び立ち、フィンランド→タリン。
24時間中移動です。もう半分の方は、成田で一泊し前日乗るはずだった同じ時間の
フィンエアーに席を確保できました。
これでもまだ良かったそうです。同じ様な旅程を組まれていた他の乗客は
二晩、成田で過ごさざるを得ない方もいらしたそうです。
なんというリスク管理。たまにしか旅行をしない者にとっては豪い目です。

そんな皆様とも明日のこの時間、エライ遠い国となってしまったエストニアでお会いします。



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by lavvoronte | 2016-06-20 13:48 | いってきました。